映画「オッペンハイマー」/あらすじ評価レビューと感想:🎉【米アカデミー賞 2024 受賞】作品賞ほか7冠!
評価:星3つ ★★★ 2024年 株主優待鑑賞13本目
あらすじ
第二次世界大戦下、アメリカで立ち上げられた極秘プロジェクト「マンハッタン計画」。
これに参加した J・ロバート・オッペンハイマーは優秀な科学者たちを率いて世界で初となる原子爆弾の開発に成功する。
しかし原爆が実戦で投下されると、その惨状を聞いたオッペンハイマーは深く苦悩するようになる。
冷戦、赤狩り―激動の時代の波に、オッペンハイマーはのまれてゆくのだった―
感想
まずは、【米アカデミー賞 2024 受賞】『オッペンハイマー』作品賞ほか7冠!
というニュース! 素晴らしい作品だ。
作品賞
★『オッペンハイマー』
監督賞
作曲賞
★『オッペンハイマー』(ルドウィグ・ゴランソン)
撮影賞
★ホイテ・ヴァン・ホイテマ『オッペンハイマー』
毎年、映画は株主優待で60本以上は観ているがアカデミー賞の作品賞に選定される映画でこれはと感動したものはほぼ無く、作品賞受賞の中ではタイタニック以来はあまり感動していない。
オッペンハイマーも感動した訳ではなく★3つ、例年のアカデミー賞 作品賞らしき評価になった。
しかし理系人間としては、このオッペンハイマーの映画は特別な感情で観た。
まず印象に残ったは
「爆弾は善人も悪人も無差別に殺す」
「物理学300年の集大成が大量破壊兵器なのか」
「しかしナチスに原爆を先行開発させてはならない」
といった科学者としての意見だ。
オッペンハイマーは、核が世界に解き放たれることで負の遺産、負の結果がもたらされることを見抜いていたのに開発プロジェクトを成功させてしまった・・・
その開発プロジェクト中での心情の揺れ、変化が観ていて辛かった。。
そして心の揺れが音と映像で見事に表現されていた。
映像体験として最高だったのは、原爆実験成功の光と爆音!!
これは映画を観た人でないと味わえない貴重な体験だ。体が震える爆発体験だった!
また、原爆が広島、長崎へ投下された後の映像で、オッペンハイマーの偉業を米国人が称える時の場面、そこで妄想映像として・・なんと「やけどを負った原爆被害者を演じたのがノーラン監督の娘さんだった」と後で知った。
そんな複雑な場面構成まであったんだと。
ただし、自分としては政治的な背景などの知識はなく、オッペンハイマーが水爆開発に反対して裁判で裁かれたりするのは、もはやついてゆけず、何なのあれという感じになってしまい、ラストでは知識不足で映画に没入できなかった。
自分として核、原子力、原爆を開発したオッペンハイマーに、科学者としてどこかしら共感できる部分があって、そこの場面で感動できる部分があり、理由は何かと映画中ずっと考えていた。
その時にずっと頭の中を巡っていたのは、社会人として会社に入ってすぐに仕事で担当していた原子力研究所やエネルギー機器研究所で原子力研究開発にも少しだけ携わっていたこと。
社内に極秘で実験用の超小型原子炉が設置されていて、見学会で青白い火がともっていて原子炉が稼働しているのを目の当たりにしたこと。この青白い火は常識的には見られないばずなので、一般人で見こたことがある人はまずいないはずだ。
そして、高速増殖炉「もんじゅ」の耐震設計に携わったり、ウラン濃縮用の遠心分離機の開発に関係したり、常温核融合のニュースが出た時には、真剣に一家に一台ポータブル核融合炉を開発する夢をみたり、若いころに、原子力や核、ウラン濃縮技術にたくさん触れて、全て将来の明るい未来のエネルギー政策に結び付くと信じていた。
そんな背景もあり、どこかオッペンハイマーの心情に寄り添うことができたような気がする。
オッペンハイマーには原子爆弾のような大量破壊兵器なんて開発せずに、明るい未来のための安全なエネルギー政策に全力を傾けて欲しかった。
2024 アカデミー賞 ノミネート情報
作品賞
『アメリカン・フィクション』
『落下の解剖学』
『バービー』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『マエストロ: その音楽と愛と』
★『オッペンハイマー』
『パスト ライブス/再会』
『哀れなるものたち』
『関心領域』
監督賞
ジョナサン・グレイザー『関心領域』
ヨルゴス・ランティモス『哀れなるものたち』
★クリストファー・ノーラン『オッペンハイマー』
マーティン・スコセッシ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ジュスティーヌ・トリエ『落下の解剖学』
主演男優賞
ブラッドリー・クーパー『マエストロ: その音楽と愛と』
コールマン・ドミンゴ『ラスティン: ワシントンの「あの日」を作った男』
ポール・ジアマッティ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
★キリアン・マーフィ『オッペンハイマー』
ジェフリー・ライト『アメリカン・フィクション』
主演女優賞
アネット・ベニング『ナイアド ~その決意は海を越える~』
リリー・グラッドストーン『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
ザンドラ・ヒュラー『落下の解剖学』
キャリー・マリガン『マエストロ: その音楽と愛と』
★エマ・ストーン『哀れなるものたち』
スターリング・K・ブラウン『アメリカン・フィクション』
ロバート・デ・ニーロ『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
★ロバート・ダウニー・Jr.『オッペンハイマー』
ライアン・ゴズリング『バービー』
マーク・ラファロ『哀れなるものたち』
エミリー・ブラント『オッペンハイマー』
ダニエル・ブルックス『カラーパープル』
アメリカ・フェレーラ『バービー』
ジョディ・フォスター『ナイアド ~その決意は海を越える~』
★ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
★『落下の解剖学』(アルチュール・アラリ&ジュスティーヌ・トリエ)
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』 (デヴィッド・ヘミングソン)
『マエストロ: その音楽と愛と』(ブラッドリー・クーパー&ジョシュ・シンガー)
『May December』(サミー・バーチ&アレックス・メヒャニク)
『パスト ライブス/再会』(セリーヌ・ソン)
脚色賞
★『アメリカン・フィクション』 (コード・ジェファーソン)
『バービー』(ノア・バームバック&グレタ・ガーウィグ)
『オッペンハイマー』 (クリストファー・ノーラン)
『哀れなるものたち』 (トニー・マクナマラ)
『関心領域』(ジョナサン・グレイザー)
国際長編映画賞
『Io Capitano』 (イタリア)
『PERFECT DAYS』 (日本)
『雪山の絆』(スペイン)
『The Teacher’s Lounge』 (ドイツ)
★『関心領域』 (イギリス)
長編アニメ映画賞
★『君たちはどう生きるか』
『マイ・エレメント』
『ニモーナ』
『ロボット・ドリームズ』
『スパイダーマン: アクロス・ザ・スパイダーバース』
短編アニメ映画賞
『Letter to a Pig』
『Ninety-Five Senses』
『Our Uniform』
『Pachyderme』
★『War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko』
衣装デザイン賞
ジャクリーヌ・デュラン『バービー』
ジャクリーン・ウェスト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
デヴィッド・クロスマン、ジャンティ・イェーツ『ナポレオン』
エレン・マイロニック『オッペンハイマー』
★ホリー・ワディントン『哀れなるものたち』
メイクアップ&ヘアスタイリング賞
『Golda』
『マエストロ: その音楽と愛と』
『オッペンハイマー』
★『哀れなるものたち』
『雪山の絆』
短編映画賞
『彼方に』
『Invincible』
『Knight of Fortune』
『Red, White and Blue』
★『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』
歌曲賞
“The Fire Inside”『フレーミングホット! チートス物語』
“I’m Just Ken”『バービー』
“It Never Went Away”『ジョン・バティステ アメリカン・シンフォニー』
“Wahzhazhe (A Song For My People)”『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
★“What Was I Made For?”『バービー』
作曲賞
『アメリカン・フィクション』 (ローラ・カープマン)
『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』(ジョン・ウィリアムス)
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(ロビー・ロバートソン)
★『オッペンハイマー』(ルドウィグ・ゴランソン)
『哀れなるものたち』(ジャースキン・フェンドリックス)
長編ドキュメンタリー映画賞
『Bobi Wine: The People’s President』
『The Eternal Memory』
『Four Daughters』
『To Kill a Tiger』
★『マリウポリの20日間』
短編ドキュメンタリー映画賞
『The ABCs of Book Banning』
『The Barber of Little Rock』
『Island in Between』
★『ラスト・リペア・ショップ』
『Nǎi Nai & Wài Pó』
『バービー』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
『ナポレオン』
『オッペンハイマー』
★『哀れなるものたち』
『落下の解剖学』
『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』
『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
★『オッペンハイマー』
『哀れなるものたち』
音響賞
『ザ・クリエイター/創造者』
『マエストロ: その音楽と愛と』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』
『オッペンハイマー』
★『関心領域』
視覚効果賞
『ザ・クリエイター/創造者』
★『ゴジラ-1.0』!!
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: VOLUME 3』
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』
『ナポレオン』
撮影賞
エドワード・ラックマン『伯爵』
ロドリゴ・プリエト『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』
マシュー・リバティーク『マエストロ: その音楽と愛と』
★ホイテ・ヴァン・ホイテマ『オッペンハイマー』
ロビー・ライアン『哀れなるものたち』